2012年10月26日金曜日

5/18:ブリュッセル(2)

10日目。
ブリュッセル市内で宿を探して迷い、泣きそうになった前日。
一夜明けたこの日はブリュッセル観光。
この旅行ではホームシックになりましたが、夜寝られなかった、ということはそういえばなかったな。毎日ぐっすり寝ていました。

さて、ぐっすり寝るも前日のダメージが大きく気分は晴れず。天候も晴れず。
逃げるように宿を飛び出して、そそくさと移民街を抜けブリュッセル中心部へ。
目指すは、世界で最も美しい広場のひとつと言われる「グラン=プラス」。

ここがグラン=プラス。

美しさが伝わらない写真でスイマセン…。
人が多くて雰囲気はアレですが、周囲の建造物は精巧な装飾には圧倒されます。





だけど正直広場というものの楽しみ方がよくわからない…(笑)
「凄いな〜」という感想を抱いたところで他の所へ。



ギャルリー・サン・チュベール。
ヨーロッパで最も古いショッピングアーケードのひとつらしい。
ヴィトンやら何やら高級そうなお店が連なっています。

ギャルリー・サン・チュベール内にある巨大なチョコのモニュメント。ベルギーと言えばチョコですよね。

もちろん貧乏旅行なので何も買わずに通り過ぎ。
次。

適当にフラフラしていると楽団が。
ヨーロッパはこういう路上で演奏してお金稼いでる人達が沢山いました。
日本の田舎から殆ど出た事ない俺には珍しい光景。東京とかでは結構いるもんなんでしょうかね。


そしてもうひとつの観光の目玉。

小便小僧!
小さい!小さいぞこいつ!
よく三大ガッカリスポットとして挙げられる小便小僧ですが、なるほど確かにって感じはします。
というのも普通の道端の隅にあるんです。

こんな感じ。ただの交差点の隅ですからね。

ガッカリはしなかったですが、特に感動もせず(笑)


しかしなんだか、なんだか気分がパッとしない。楽しめない。
気分が落ち込んで、ダメです。

少し休んで落ち着こうと思って、
このサン・ミッシェル大聖堂へ。
教会はだれでも無料で入れて、椅子にも座れるので主に休憩場所として重宝しました。 

椅子に座って休憩しつつ周りを眺めていると。


ん?

聖歌隊が出てきました。


静かな聖堂内に響き渡る歌声。
落ち込んだ気分のところにこんなものを聴かされると、目から水が出てくるじゃありませんか。
ええ、涙さんの登場です。
ついでに(というと失礼だけど)、神様に「早く日本の人に会いたいのでよろしくお願いします」と祈っておきました。


ありがとう。少し元気が出てきました。


教会前の広場。


元気が出たので高い所に上がって来ました。
向こうに見える塔はグラン=プラスに建つ市庁舎。


もう少し高いところに。


この日は決して楽しいと思える日ではなかったけど、やはり教会で聖歌を聴けたのは本当に良かったです。俺はキリスト教徒ではないですが本当に「救われた」と思いました。

2012年10月19日金曜日

5/17:ブリュッセル(1)

(これ以前もこれ以降も、タイトルになっている街はその日宿泊した街です)


さて、5月17日。旅を始めて9日目。
この日はオランダから隣国ベルギーに向かう日ですが、まさかのマウリッツハイス美術館の工事で観られなかった「真珠の耳飾りの少女」を観る為に再度デン・ハーグへ向かうかどうか……というところで悩んでおりました。

というのは嘘で、別に悩んではいません。
実は殆ど「行く」というのは決定していました。だって今を逃すといつまた観られるチャンスがあるか…。
というわけで移動日ですが、バックパックを背負ってデン・ハーグにまた向かいました。

アムステルダムともお別れ。内心ホッとしたり。
昨日と同じようにアムステルダム中央駅から電車で40分程、デン・ハーグへ。

バックパックを駅のロッカーに預け(支払いはコインではなくクレジットカード。使用方法も英語でよくわからず苦戦した)、目指すはデン・ハーグ市立美術館。前日よりも遠い目的地。
なんとなく位置はわかっていたので、黙々と歩くこと1時間…。
交通機関を使えばいいのにと思うかもしれませんが、前から書いている通り異国の市内交通機関なんて怖くて使えません。

歩いている途中で見た景色を。
しかし、ベルギー行きの電車を逃さない為にも、あまり長居は出来ません。
さっさと歩きます。
豪華な館。

公園。

前日は来た事無い場所を通って行きましたが、市内のあちこちにあるマップや案内板を見れば結構無事に辿り着けます。そういう面で観光客に優しい街は良いなあと思います。
というわけで。

辿り着きました。「デン・ハーグ市立美術館」。
ここにマウリッツハイスに収蔵されている作品が展示されているハズ!
半ば取り憑かれたように求めていた「真珠の耳飾りの少女も」…。

館内は撮影禁止で写真はありませんが、ありました。ありましたよ!
「真珠の耳飾りの少女」!!
(Wikipediaの画像をお楽しみください)

「やっと来てくれたのね」と俺に向かって振り向いている、とか変な妄想をしたりもしましたが、この絵の為にここまで来て良かった…、と思えるくらい美しい絵でした。

しかし10月現在、神戸市立博物館で開催されている「マウリッツハイス美術館展」により今彼女は日本に来ているみたいです。
今ならオランダに行かなくとも神戸に行けば彼女の美しい姿が観られますよ。
こんなに急いで観に行かなくてもよかったのかも、とか思っちゃいそうですがそれでもオランダで観る事が出来たのはよかったなあ。

帰り道。

広場&ビル。
デン・ハーグ、良い街だった!





さあ、オランダで無事に「真珠の耳飾りの少女」も観終え、次の国ベルギーへ。
ドイツ、オランダときて3か国目です。

簡単ですが、こんな感じで進んでおります。
最初の赤丸がフランクフルト、次がケルン、ブレーメン、国境越えてオランダのアムステルダム、そしてベルギーのブリュッセル。

一旦アムステルダムに戻り、そこからブリュッセルへ向かいます。
「Thalys(タリス)」という超カッコいい深紅の新幹線に乗りたかったのですが、追加料金がかかってしまうので諦めました。
ユーレイルパスを持っていてもお金がかかる時は普通にかかります(大抵の場合割引はあるけど)。特に新幹線は他の種類の電車とは別の料金設定の場合が多いので、タダで移動したい時はあまり新幹線には乗れません。
ちょっとツマラナイ話になるかと思いますが、これからヨーロッパの電車にユーレイルパスで乗るという人の為に書いておきます。興味ない人は飛ばしてください。
新幹線の料金設定は基本的に乗車運賃と特急料金、座席指定料金の3つで成り立っています。日本もたしかそうですよね。しかしユーレイルパスには乗車運賃と特急料金しか含まれておらず、座席指定料金は追加で支払わなければなりません。つまり全席指定の新幹線だと、席予約分のお金が確実に掛かる。
ドイツやオーストリアなどの新幹線は全席指定では無く、予約したいなら予約しても良いよというものなので、席を予約せずとも乗る事が出来ます。つまり席予約の必要性が無い分、予約料金を支払わずともユーレイルパスだけで乗車可能。そのかわり予約者が優先されるので、最悪の場合席に座れないこともありますが。向こうの新幹線は日本のように自由席と指定席で別れていないのです。
しかし、ただ単に座席指定料金を払えばいいという場合が少ないのもやっかいなところ。どういうことかというと、乗車運賃、特急料金、座席指定料金が一つになった「包括運賃」というものを採用している国が増えて来ているのです。一般の人は複数のチケットじゃなく一枚のチケットで乗れるわけですから楽だと思うのですが、ユーレイルパス所持者にとっては厄介きわまりない(笑)ものなのです。「包括運賃」の電車にユーレイルパスを使うとただ単に「包括運賃を割り引き」という扱いになります。その場合、座席指定料金分だけを支払った時よりも高い料金を支払わなければなりません。
今は包括運賃を採用している国が多く、スペインなんて新幹線以外の国内列車でも包括運賃なので、どの列車でも追加料金がかかり(20ユーロ、日本円で2000円くらい)、貧乏旅行者でユーレイルパス所持者には厳しい電車事情でした。しかしドイツは新幹線含め殆どの列車が包括運賃を採用していない、さらに全席指定の列車も少ない=ユーレイルパスを持っていれば大体の列車にタダで乗れる(座席指定料金も4ユーロ、日本円で400円くらい)というとても良い国でした。
上手く説明出来たかはわかりませんが、ユーレイルパスでヨーロッパを旅する、という人の参考になれば嬉しいです。


はい、長くなりましたが。
そんな感じで新幹線ではなく普通の列車でガタゴトとブリュッセルに到着。
行く前からブリュッセルの街を色々と想像していましたが、その想像とは全然違った街でした。
駅から出た時に感じた、ちょっとした違和感。
ブリュッセルは移民がとても多かった。違和感と言うと失礼かもしれないですが。
他の街にも移民はいたけど、それより遥かに多い。特に中東のイスラム教徒っぽい人。俺が予約した宿の周辺は完全に移民街と化していて、周りはそういう系の人ばかり。「あれここ本当にベルギーなのか?」と疑ったほど。
別に差別するわけではないですが、正直怖かったです。日本にいたときは殆ど見た事がなかった人達に囲まれるっていうのは。
完全に怯えてました。しかも宿が見つからない。でっかいバックパック背負って迷っている風の日本人なんて格好の的だったと思いますが、特に何も無かったです。考え過ぎでしたかね。しかし今思い出しても怖かったです。泣きそうになりました(笑)ホームシックもあったので気分は今までで一番最悪。
公園らしきところで話をしているおじさん方に道を聞こうとするも、聞く前から「知らないよ」みたいな動作をされ、2時間くらい迷いに迷ってなんとか宿に着いても、あたりまえのように日本人はいない。
旅に出たことを若干後悔しました。この寂しさ、いつまで続くのでしょうか。

日記には、
「この旅に、本当に楽しい!と思う瞬間は訪れるのだろうか…。」
とまで書いてあります。
そんなことを思いながら、汚い宿で同じ部屋の人の強烈ないびきを聞きながら眠りにつく、ブリュッセルの夜でした。

2012年10月16日火曜日

5/16:アムステルダム(3)

お久しぶりです。
およそ1ヶ月間更新していませんでした。すいません。
もうひとつのブログを更新すると疲れてしまうので、旅行記を連続して更新するのが出来ませんでした。
もうひとつのブログにも書いたのですが、週に1日、もしくは2日、もうひとつのブログをお休みしてその分こちらの旅行記を更新することにしました。このままだと旅行記が終わらないので。ただでさえ92日分あるのに…。

さて、前回はアムステルダム市街観光でした。
美術館に行ったりして楽しみましたが、やはり体を蝕むホームシック。

そんな中、今回はオランダに来た目的である「真珠の耳飾りの少女」を観に、デン・ハーグへ行ったことを。

その前に、アムステルダムの写真を何枚か貼り忘れてたので、貼ります。

塔。


広場。


道。


夕食。
自分でもビックリです。ポテチ(ナイスな塩味)とサラダ。アホ過ぎる…(笑)
こりゃあホームシックにもなるわけですな。


さて、夜が明け。
電車でデン・ハーグへ。40分くらいで着くので、アムステルダムには滞在したままです。


車内でおくつろぎのiPod touchさん、ユーレイルパスさん、イケメンウォーターさん。



水のラベルデザイン格好いいですよね。

この旅行に出る前、「オランダのデザイン」という本を読んでいて、


これ。
本を読んでオランダのデザインレベルは高いなあと思っていたのですが、実際高かったです。
特に印象的だったのは鉄道関係。国内列車はどの列車も黄色と青のツートンカラーでとても躍動感があり、格好良かったです。
駅もモダンで洗練されてた。
残念ながら写真は撮っていないのですが…。(気になる人は→wikipedia「オランダ鉄道」とか画像検索してみてください。)

車窓の景色とイケメンウォーター。


到着!デン・ハーグ!!
アムステルダムとは違い近代的な駅です。
アムステルダムはオランダの首都ですが、政府や国会、王室などの首都機能は持っていません。完全観光商業都市です。では首都機能はどこが担っているの?そう、それはここデン・ハーグで担っているのです。
第二の首都というより、実質首都って感じなんでしょうかね。

さあ、「真珠の耳飾りの少女」が展示されているマウリッツハイス美術館に向かいます。


デン・ハーグはアムステルダムよりも遥かにアングラ感が無くて、とても気に入りました。



歩いてたらタダで配ってた、リプトンのスパークリングアイスティー。
炭酸アイスティーって日本でも売れてるのかな。どっちにしろこの時は「炭酸の紅茶だと…!?」とかなりビックリしたので貰いました。案外美味かった…。

ビネンホフという場所に着きました。ここはデン・ハーグの政治の中心。
国会議事堂などが集まる場所。

ビネンホフの傍には巨大な池。この辺りの、のんびり感はとても心地よかった。

ビネンホフの中に入る。向こうに見える大きな建物が国会議事堂…なのかな?このあたりの建物一帯が国会議事堂なのかな?よくわかりません…。

記念写真。撮ろうと思ったらおばさんの手が。


ちょ、おばはん!普通に前に来た。

もう記念におばさんも撮っちゃえ、と開き直った写真。


まぁちゃんと撮りましたけどね。


門。

工事中。ヨーロッパだからといって工事現場の雰囲気が違うわけでもない。


再び池。中心に噴水があったりと優雅です。


池に沿って続く散歩道。



散歩道を通って反対側。
写真の左側がビネンホフ。右側が散歩道。

ていうかマウリッツハイス美術館が見つかりません。この辺りのはずなのに。池の周りをうろうろ。
鴨に聞いてみるも、「知らないカモ。」とのこと。

しばらくこの辺りをうろつくが、美術館らしき建物が見つからず。
仕方なく地図を開きそれらしき場所に行ってみる…。

けど、ここはもう何度も来たんだよな。そんな建物は無かった。
……。

……え?
いや、まさか…?

…おい、あんたら一体何の工事をしているんだ…?

工事現場に近づいて見てみるとさっきは見つからなかった看板が。

「マウリッツハイス美術館 改装工事中」

……。

さっきから何度も見ていたこの建物がマウリッツハイス美術館…。
もっとでっかい建物かと思ったが…。


終わった…。
俺は一体何の為にここに来たんだ…。

宿の外ではネットが使えないので、どのくらいの工事なのか、「真珠の耳飾りの少女」は何処に、という情報を今得ることが出来ない。
「マジか…」という言葉しか出ないまま、ポッカリ空いたこれからの予定をどうしようか考える。
まだ昼前なのにこのままデン・ハーグで夕方まで時間潰すのもなんだか…、ということで違う街へ行ってみる事にしました。

行き先はデルフトという町。
「真珠の耳飾りの少女」を描いたフェルメールの生誕地です。またフェルメールの作品に「デルフトの眺望」という作品があり、
ファイル:Jan Vermeer van Delft 001.jpg
この作品はネットでチラっとみただけなのですが、綺麗だなと思っていたので、まあ、行ってみようかと…。ほんとはマウリッツハイス美術館で絵画を堪能しているはずだったので、全然テンションは上がりませんでしたが…。

なんだかなあという気分で電車に乗り、デルフトへ。



地球の歩き方にはデルフトは載っておらず、街の情報は無し。当然地図も無し。なので適当に歩いていきます。

どこからでも見えるデルフトのランドマーク、新教会。

高い塔だな…!特にすることも無いので上ってやろうか!と少しテンションが上がりましたが、受付に行くと今日は上れないと…。理由は不明ですが…。再びテンションダウン。

デルフト市庁舎。



街の中を適当に散策。


実に合理的で美しい自転車置きだなあ、とか。



読んでわかる通り、とくに何もすることがないので、帰ることにしました。テンションはだだ下がりのまま…。
さらばデルフト…。でもとても綺麗な街でしたよ。


テンション低い上にホームシックも被さって、ものスゴい孤独感に苛まれる。
前々から何度も書いていますが、

日本人に会いたい…。日本語で話したい。

このあたりは相当キてました。超寂しかったですね(笑)
孤独感に押しつぶされるとはこういうことを言うのだなあとか思ってました。




さて、アムステルダムの宿に帰って来て、さっそく「真珠の耳飾りの少女」の行方を探る。ネットで調べてみると、

『……マウリッツハイス美術館は現在工事中であり、マウリッツハイスの展示品は一時「デン・ハーグ市立美術館」に移されている。』

デン・ハーグにあったのかよ…と突っ込む。
といっても、明日はもう移動日でベルギーに向かうのだけど…。

明日ベルギーに行く前にまたデン・ハーグに観に行くか?
巨大なバックパック背負って?
時間はあるのか?

さあ、どうしよう。