2012年8月29日水曜日

5/11:ケルン


三日目。ケルン。

フランクフルトからICEに乗って向かいます。

なぜかICEの写真を撮っていなかったので(ムービーは撮った)、写真はWikipediaから。
色んな国の新幹線に乗りましたが、ICEが一番好きです。めっちゃカッコイイ。

車内。手前のがユーレイルパス。飲み物を買って、パスポートを用意して(ほんとはいらないけど一応)、いざ。
この便は人が少なく快適でした。ていうか予約しなくても大丈夫でした。


車窓からの風景。

一時間ほどでケルンへ到着。ずっと窓際を眺めていましたが、見たことのない景色に全く飽きず、一時間は短い!と思ったことを覚えています。


ケルンを知っている人なら当然ですが、ケルンに行こうと思った理由はケルン大聖堂を見る為。
世界最大のゴシック建築大聖堂。世界遺産です。
キリスト教や教会建築の知識はほぼありませんでしたが、近くにこんな凄いものがあるなら行こう、という単純な理由でした。
そしてすごく楽しみにしていました。日本にいたら大聖堂なんて見ることが出来ないですからね。
ケルンの駅について外に出ると、駅のすぐ隣に大聖堂がありました。
僕は楽しみを後にとっておきたいタイプなので、この時はわざと目を背け(笑)、あとでじっくりと見てやるからと、とりあえず宿に直行します。

ケルンで泊まる宿はフランクフルトにいる時にネットで予約したところです。この時は多少遠くても安さを重視して選びました。
自分は貧乏旅行だから当然だ、という気持ちでしたが、

これが間違っていました。

まずこの日のケルンは雨でした。気温も低く、半袖では寒かった。肌寒い、じゃなく、寒い。長袖はありますが、バックパックの中。取り出すとしても宿に着いてから。
さらに駅から宿につくまで徒歩で一時間かかる距離でした。もちろんケルンはドイツの中でも大きい都市ですから市バスや地下鉄などの公共交通機関も整っています。ですが初海外三日目、日本でも地下鉄に乗ったことがない自分が、異国の交通機関に乗ろうと思うはずがありません。実際「地下鉄とか怖いから絶対乗らない」と思っていました。

雨、寒い、バックパックは重い、遠い、さらに道に迷って、宿に着いた時点で身体的にも精神的にもクタクタでした。

なんとか着いた宿は個人経営の小さい宿。
フランクフルトで泊まってたところとは色んな面で大きく違います。
そして初ドミトリー(多人数相部屋)です。

まずはチェックイン。オーナーさんとマンツーマンで話したのですが、もちろん意思疎通が出来ません。ここでも適当に返事しますが、NOというべきところでYESと言っていたり、それを訂正する為に苦労したり、英語がしゃべれないことでさらに精神的にやられます。こんなに面と向かって英語で会話するの初めてだったし。

なんとかチェックインを終え(一応なんとかはなるんです)、泊まる部屋へ。
こんな感じの部屋でした。俺が来た時は誰もいなかった。
ケルンは一泊しかしないので、次の日はもう移動。つまり観光するつもりならこの日しかない。
とりあえず荷物を置いて再び駅へ。

 灰色の街。
雨のケルンは寒い。歩くこと一時間…。

再び僕の目の前に現れました。巨大な大聖堂。

これ、凄いです。実際見ると圧倒されます。
「なんだこれは」
異形のものを見たときのような(見たことないですが)、漠然とそんな感想を持ちました。
 この時点で既に大分疲れていましたが、疲れが吹っ飛ぶとはいかなくとも、さすがに一時的に忘れさせてくれる美しさでした。

なかにも入ってみました。これまた圧倒されます。
写真綺麗に撮れてなくてすみません…。

初めて大聖堂というものに入りましたが、キリスト教徒の人達が神の力を信じる、という理由が少しわかった気がしました。こんなの見せられたら、ねえ。

そうだ、俺、川の方まで行ってるな、と今写真見て思い出した。
大聖堂の南に流れるライン川の向こうから見た大聖堂。右の二つの尖塔がケルン大聖堂。
相当大きいのがわかりますね。

そばの橋には電車が通っています。この橋を渡ってきたわけです。

この橋にもフランクフルトの橋で見たアレが。


ケルン大聖堂の後ろ側。
何気にここも凄い。何十本もの尖塔が天に向かって伸びています。

大聖堂は凄かったですが、雨と疲れのせいか正直それ以外のケルンは全く魅力を感じず、もはや早く別の所に行きたいような気持ちでした。
そしてこの後もう宿に帰ります。たぶんまだ午後4時ぐらい。

宿に帰ってきて洗濯をしようにも、洗濯機も無いし、手洗いをしようにも他の人がいる中でどうしていいのかわからない。
夕食を食べる元気もない。
ドミトリー初めてで、同じ部屋の人とどう接したらいいかわからない。
ああヤバイ…と、とりあえずシャワーを浴びようと思ってシャワールーム(手洗い場とカーテンで仕切られているだけで最初ビックリした)に行くも、この寒さの中、まさかの冷水しか出ないシャワーでトドメを刺され完全に心が折れました。

なんとか繋がるWi-Fiで次の街、ブレーメンの宿を予約し、夕方6時くらいには寒さで震えながらベッドへ。
果てしなく落ちていく気分。

この日、僕の心に長く居着くことになるホームシックが顔を出したのです。

2012年8月27日月曜日

5/10:フランクフルト(2)


フランクフルトの位置。(Wikipediaより)

フランクフルト二日目。
寝て起きたら、とりあえず前日のパニックなどは落ち着いていました。
旅に行く前はフランクフルト空港の近くで二泊もする意味はあるのか、という思いがありましたが、二泊で本当に正解でした(笑)最初は余裕があったほうが絶対に良いです。

フランクフルトで泊まった部屋。ダブルベッドを一人で使用しています。


さて、この日は三つのミッションを自分に課します。

・ユーレイルパスのバリデーション
・Sバーンでフランクフルト中央駅へ
・ICEの予約

まずはユーレイルパスのバリデーション。
ユーレイルパスというのは簡単に言えばヨーロッパの鉄道が乗り放題になるチケット。厳密に言えば追加料金を支払わなければいけない列車があったり、全ての国で完全な乗り放題というわけではないのですが。
そしてこのユーレイルパスは「バリデーション」をしなければ使用出来ないのです。
「バリデーション」っていうのは、「使用を許可します」と駅員さんにスタンプを押してもらうこと。駅員さんのスタンプが無い状態だと使えないというわけです。

二つ目のミッションの「Sバーン」というのはドイツの様々な街で運行されている近郊列車。今いる空港とフランクフルト中心部を繋ぐ列車に乗って、街まで出ろというミッション。これに乗るにしてもバリデーション必須です。
フランクフルト空港ターミナル1の地下には空港駅が併設してあるので、空港まで行けば駅員さんもいるし、列車もあるので、まずは空港駅へ。

ファイル:Db-schild.svg
ドイツ鉄道のロゴマーク。
DBは「ドイツバーン」の略かな?当たり前ですがよく見かけました。

空港駅に着き、ドイツ鉄道の窓口を見つけ、心の中で何度も練習した「バリデーションプリーズ!」を発動。
担当してくれた駅員さんは新人だったのかよくわかってない様子でしたが、他の駅員さんの助けもあり、難なくミッションコンプリート!

そして次のミッションへ。
まあ単に列車に乗るだけのミッションですが、初めての海外で外国の列車に乗る不安といったら!バスでさえ恐る恐る乗ったのに!
とりあえず時刻表を眺めます。
これはその時見た時刻表ではないのですが、時刻表のスタイルとしてはこんな感じ。
パッと見、難しそうですがこの時刻表とてもわかりやすいんですよね。
俺でもわかったんだから、わかりやすいはず。
時刻表に限らずドイツ鉄道は他の国に比べてもとても使いやすい鉄道という印象でした。
ユーレイルパスがあったからかもしれませんが。

フランクフルト中央駅行きの列車の時刻とホームの番号を確認し、恐る恐る乗車。
たとえ間違っていたとしてもユーレイルパスがあるから大丈夫…!と言い聞かせ、目の前のおじいちゃんの視線を気にしながらも、乗ること10分少々…。

無事到着!フランクフルト中心部!
フランクフルト中央駅から出たところの眺め。初めてのヨーロッパの街の景色。
以外と高層ビル多いなというのが第一印象。



これがフランクフルト中央駅の正面。
ドイツ語では「フランクフルト・ハウプトバーンホーフ(Frankfurt Hbh)」。
Wikipediaによるとヨーロッパ最大級のターミナル駅のひとつであり、一日の乗降客数は35万人でドイツでは最も多いらしいです。

ちなみに日本の東京、新宿駅の一日の乗降客数は350万近くで、ヨーロッパ最大級といわれるフランクフルト中央駅の10倍です。フランクフルト中央駅も「めっちゃ人多いなー!」と思っていましたが、新宿駅恐るべし。実際に行きましたが人の多さに笑いました。ま、それはいいとして。

ちょっと暗いですが、フランクフルト中央駅の構内。
列車のホームも色んなファストフードのお店も全てひとつの空間の中にあります。
広い。
ちなみにヨーロッパの駅には改札がありません。しようと思えばチケット無くても乗車出来ます。ほぼ必ず来る車内検札でやられますが。ユーレイルパスはこの時の車内検札で見せます。

さて、こっからは適当に街中でブラブラしてるだけなので写真主体で。

高層ビル。フランクフルトはドイツの経済の中心地なので、やっぱり街もそんな感じ。
ヨーロッパで中心部にこんなに摩天楼がある都市はあまり少ないと思います。

公園。田舎者なので目に入るもの全てが新鮮で終始「うひょ〜っ!」ってなってました(笑)
「円形の公園だあ〜!」とか変なところで感激したり。

フランクフルトを流れるマイン川。


川沿いの散歩はとても気持ちよかったです。


空を見上げると、幾重にも交差する飛行機雲。
こんなに飛行機雲がある街、他に無かったような。
フランクフルトはドイツ経済の中心地でもありますが、さらにヨーロッパの玄関とも言われています。郊外のフランクフルト空港のおかげですね。俺はちゃんと玄関から入ったわけです。

川沿いにはベンチがいくつも並んでいました。そこで読書したりボーっとしたり、誰かと話していたり、街の憩いの場になっていました。日本人はどうなのかまだよくわかってないのですが、ヨーロッパ人はベンチに座ってまったりするのが好きなようです。他の街でもよく見かけました。

川から移動してレーマー広場。
これ!これが見たかったんですよ!いかにもヨーロッパらしい建物!
「ヨーロッパらしい〜!」と思っていましたが、この感じの建物はドイツ独特っぽいです。他ではあまり見かけません。でも綺麗ですよねー。向こうには何かファンタジーな塔が見えます。

レーマー広場の近くの広場。
なんなんだろう、この木…。日本と全然違うなあということを改めて実感しました。
ここでお昼になったので立ち並ぶお店でお昼ご飯を買うことに。
もちろん不安です!緊張しています!ドイツ語読めないし、喋れない!どうやって買うんだ!
しかし、腹が減っています。
優しそうなおばさんがいる店を狙い、勇気を振り絞って「グーテン・ターク!」(グーテン・タークはドイツ語でこんにちは)
ウインドウに並ぶサンドイッチを見て、これだと思ったものを指差す!もう言葉を発しないことに決めました(笑)
おばちゃんが「これ?」と取ってくれたものを見て、「イエスイエス!」
成功した!冷蔵庫に並んだコーラも渡して、慣れないユーロでの支払いも済ませ。
手に入れたのがこちら。
サンドイッチ全然見えてないですが…。
たしかサラミとトマトとチーズとレタスが入ってた記憶があります。困難を乗り越え手に入れた食い物は格別!!こんなやっすい食事でも満足でした。パンが固かったけど。
たしか両方で5ユーロくらい。現在は1ユーロ100円くらいなので、500円くらいです。
ちなみにいらん情報ですが、ヨーロッパのペットボトルは蓋が開けにくいです。蓋として外れる部分と、ペットボトルに残る細い輪っかの部分がありますよね。蓋を回しても二つがうまく分かれないのです。どうでもいいですね。

またレーマー広場。今度はさっき見えたファンタジーな塔に行ってみます。

広場から少し歩いたところ、なんかの遺跡なんでしょうか。未だによくわかりません。
ツイッターではこんなことを呟いています。



また、こんなことも。


ムービー撮りました。残念画質ですけど。


そしてムービーにも写っていますが、この遺跡らしき広場の裏に…。

ドーーン!
バルトロメウス大聖堂という建造物らしいです。名前を今知りました(笑)
この時は「なんかすごいのがあるな」というだけでした。どうしてか中に入ってもいません。有料だったのかな?忘れた。
天を突く塔を「ほえ〜」と眺めただけで、他の場所へ移動。

どこで撮ったんだろうこれ(笑)でも綺麗だった。こういうちょっとした場所でも感動していました。

またマイン川へ行き、今度は橋を渡って向こう側へ。

ドイツでよく見かけたんですが、橋の柵に南京錠がたくさん。
これにはカップルの名前とか書いてあって「いつまでも幸せになれますように」みたいなことが書いてあるのでなんかその類いのアレだと思います(雑)

 川の向こうから高層ビルを望む。


たしかこのあたりで「写真撮ってくれない?」という夫婦とお兄さんに二連続で遭遇します。もちろん撮ってあげました。変な人じゃなくて良かった…。ほんの少しでしたが、他人、それも外国人の思い出になれたことが嬉しかったです。
謎の木も生えてます。

教会の塔が刺すのはやはり飛行機雲の空。

歩き回って疲れたので、俺も川沿いのベンチに座ってまったり。
そばをハトがうろうろ。
ほとんど島根にいるので日本の都会のハトはよくわかりませんが、ヨーロッパのハトは超超図々しい!!(笑)ベンチに座ってると「なんか食いもん持ってんでしょ…くださいよ…」みたいな感じで寄ってくる。あっちいけよとシッシッってやると、「おっと……へへ…いいじゃないすか…くださいよ…」とまるで変態のおっさん。

ハトを適当にあしらいつつ、帰る時間が近づいてきたので、最後のミッション「ICEを予約する」に向けて準備を始めます。上の写真にもチラっと見えていますが、ICEとはドイツの高速列車。日本の新幹線みたいなものです。この列車、座席指定が出来て、全ての席が指定で埋まってしまうとユーレイルパスがあっても座れないという自体になるので、まあ最初はちゃんと席を取って安心して乗ろうと。そう思ったので、追加料金支払っても予約することにしました。
とりあえず列車でフランクフルト空港駅まで帰ります。
さて、ドイツ語も英語も話せないのでどうやって予約しようか。券売機的な物もあったのですが、なんか怖いのでスルー。とするとあとは窓口しかありません。
が、川沿いのベンチでちゃんと準備しておきました。持っていた鉄道ガイドブックに「行き先と日時を紙に書いて窓口で渡せば確実」と書いてあったので、この方法でいきます。

持っていたメモ帳にReservation(予約)と書き、次の行き先であるケルンと記入。
時刻表で時間を確認し、いざ窓口へ。

担当してくれたのはおねーさん。
あいさつをして「リザベーション プリーズ!」そして紙を渡します。
「OK!」おねーさんがパソコンに何かしら入力して、「4.7ユーロね。」
お金を渡して完了。

成功!かなりあっさり終わったので拍子抜けしました。

これで三つのミッションを成功させ無事にホステルに帰ることが出来ました。
会話は相変わらずさっぱりですが、これらのミッションを無事こなせたことが凄く自信に。
次の日のICE乗車と次の街ケルンへ行く不安も若干ありましたが、二日目にして旅慣れたと言ってもいいくらいだ!と、とても良い気分で眠ったのを覚えています。

2012年8月24日金曜日

5/9:フランクフルト

さて、三ヶ月のヨーロッパ周遊旅行を振り返っていきたいと思います。


まず今回は旅の初日を。かなり長いです。

地元島根県の出雲空港から、大阪の伊丹空港に飛び、そこからさらに羽田空港へ。そして羽田空港から、ドイツのフランクフルト国際空港に飛びました。羽田発は深夜1時くらいだったと思います。
日本からドイツまでは12時間近くかかりました。
航空会社はANA。初めての飛行機だったので、格安航空会社よりも安心な日本の大手を選びました。

他の航空会社はどうかわかりませんが、ANAの飛行機は座席の前にディスプレイが付いていて映像や音楽を楽しめます。
が、緊張していたのか不安だったのか、もしくは隣の人を気にしたのか、映画は一切観ませんでした。観る気分になれませんでした。
睡眠もあまり出来なかった記憶があるので、俺は12時間一体何をして過ごしていたんだろう(笑)あまり覚えていません。

ドイツ着は朝の6時。着陸した瞬間は「うわあ〜…うわあ〜…」と声にならない不思議な感動がありました。マジでここ外国かよ…、と。ヨーロッパって本当に存在したんだ、と(笑)

飛行機から降りると、まずパスポートコントロールがあります。入国審査です。どうしたらいいかよくわかってなかったのでいきなりドキドキしました。ゲートは複数あり、その中でEUのパスポートを持っている人が並ぶ列、その他の国の人が並ぶ列とありますが、その時点で???でした。とりあえず日本人らしき人が並んでいる列に並び、順番を待ちます。
そしていよいよ審査官の前へ。
飛行機から降りて10分も経っていませんが、既に不安と緊張はMAX。
「英語喋れないけどなんか聞かれたらどう答えればいいんだ?」「そもそもここに来るまでのどこかで何か重大なミスを犯しているかもしれない…」「ドイツに入国出来なかったらどうする…!?」
…不安しかありませんでした(笑)

「ハ、ハロー」と審査官に引きつった笑顔で挨拶し、パスポートを渡す…。
審査官は俺の顔をチラッと見た後、いかにもダルそうな顔でパスポートに目を通す。
………。
スタンプを手に取り、ガシャン。パスポートをこちらに向かってポイッ。はい次。

ビックリするほど何も無く終わった…。ていうか審査官、一言も喋ってねえ…。それにこんなダラけた感じで仕事してんのか…。と色々驚きましたがしかし、無事第1の関門を突破!ついに海外へ入国です。


第2の関門は預けた荷物の受け取り。回転寿司のごとく荷物が回っているあれですね。
飛行機に乗るの初めてで、空港という施設そのものに恐怖を抱いていた俺は、荷物の受け取りにさえ不安を感じていました。
入国審査のゲートを越え、荷物受け取り場所へ。
…しかしよくわからない…。ベルトコンベアーどこだよ…。
早速迷いました☆
一応人の流れに乗ってきたつもりでしたが、よくわからない。
と、そこに空港の職員のおばちゃんを見つけます。
(…場所、聞くか?しかしなんて聞いたらいいんだ…。)
言いあぐねていると、一人の外国人の女性がやってきてその職員さんに「荷物受け取り場所はどこ?」らしきことを聞き始めました。
ここぞとばかりに盗み聞き!!けどよく聞き取れない!!聞き取れても意味がわからない!!しかし聞き終わった女性は通路を先に進んでいきます。もしやこの先か…?
けど確認するべきだ!と勇気を出して、
おばちゃんに向かって、荷物のタグの控えみたいなものを指差して、

「あ〜……?(なんて言っていいのかわからない)」

…これが精一杯でした…。とにかくタグの控えを指差す。伝われ。

職員のおばちゃん、慣れているのか分かった様子で何かを教えてくれるが理解出来ない。
けど、この通路をもっと進め的なことを言っているのはわかったので、「OK! Thanks you!」と話せる単語を全力で発音し、通路を進みます。
結局その先にありました。わかりにくかったですが。
余談ですけど、帰国時に羽田空港で同様にパスポートコントロールから荷物受け取りという流れを体験しましたが、羽田は入国審査ゲートを出た先がもう荷物受け取り場所で、めちゃくちゃわかりやすかったです。フランクフルト空港より羽田空港の方が圧倒的に親切な構造でした。他にも色々と日本の空港に感心するのですが、それはまた別の機会に。

さて、荷物も無事に受け取った俺は税関に行く必要も無かったので、晴れて自由の身です。税関についてもサッパリだったので、何も無くて助かりました。

第三の関門は日本で予約していたホステルに向かいチェックインすること!
(ホステルとは「宿」です。)
しかしこの時の俺は、
「フフフ…もう余裕だぜ…なぜならホステルは空港のすぐそばだからなッ!!場所は空港の北東!空港を出て北東に歩いていけば見つかるハズ!フハハ!この俺をなめるなよ!」
という感じで、二つの関門を突破した影響かだいぶ調子に乗っていました。

ですがもちろんここでも迷います。

「まずは空港内のマップを見せろやフランクフルト空港さんよおッ!」と空港内をうろうろしてマップを探します。マップを見つけ、「現在位置と方角を把握しなきゃならねえ…フン、手を煩わせやがって…」とマップを眺めますが、「……ッ?!…わからない!?」
全くわかりませんでした。現在位置も。方角も。ただのマップでした。しかも今いる建物に「ターミナル1」と書いてあるじゃありませんか。
「……2…があるのか…?」「ターミナル1と2、どっちがホステルに近いんだ…?」「つーかターミナル2ってどこにあるんだ?どうやって行くんだ…?」
フランクフルト空港という敵の強大さを垣間見た俺は一気に青ざめます。
それからしばらく空港内をうろうろします。もちろん何も解決しません。
「インフォメーションセンターに聞くか…」さっきの調子はどこへやらです。
もはやパニックになりました。途方に暮れました。
途方に暮れつつもインフォメーションセンターで、得意技であるホステル予約控えを指差しつつの「あ〜……?」を繰り出しますが、答えは返ってくるものの、意味がわかりません。
しかし、インフォメーションの人の返答の中で「ターミナル2」「シャトルバス」「イエロー」というキーワードだけ聞き取ることに成功!

つまり、イエローの?シャトルバスで?ターミナル2へ?そこへ行けば答えがある?
じゃあとりあえずシャトルバスを探さないと…と空港内をうろうろしていると、
突如グラグラと地面が揺れました。
なんと地震が!!
マジかよ!と他の人を見てみると特に気にしていない様子。ドイツは地震国で慣れているのか?と思っているとまたもやグラグラ。
…実は俺の目が回っていたのです。
パニックで目が回るというのは聞いたことありますが、まさか自分がそうなるとは思いませんでした。
この時のことは鮮明に覚えてます。一生忘れないだろうなあ。

このことで一瞬で心が折れそうになりましたが、なんとか踏ん張って無事シャトルバスを見つけ、恐る恐るシャトルバスに乗り、ひとまずはターミナル2に移動出来ました。
バスに乗っていてわかりましたが、ホステルはターミナル1からは到底歩いていくことの出来ない距離でした(笑)フランクフルト空港かなりデカイです。

ターミナル2でホステルへ送ってくれるシャトルバスの停車場を見つけ、そのシャトルバスにまた恐る恐る乗り、ホステルへ無事到着。
チェックインをお願いし、ホステルのスタッフの言うことに適当に「OK!」を連呼し、たまに返答に間違えどうしていいかわからなくなってスタッフを困らせたり、それでもなんとかチェックインも無事にすませ……
たつもりでしたが、なんと部屋に入れるのが午後の3時!「3時になったらもっかい来てね」とのこと。空港でかなり迷ったとはいえ、まだ朝の9時…。それまでわけもわからぬ場所でうろついてろと!?
いやいや、それはヤバイ。昨日から風呂にも入ってないし、そもそもパニックだし、疲労も…。
ただ、もらったホステルの宿泊者カードに「早いチェックイン要相談!」みたいなことが英語で書いてあったので、相談か…どうしよう…と思いましたが、もう半ばヤケになって「アーリーチェックインプリーズ!」とお願いしてみました。
スタッフは若干困った様子でしたが、「OK!」と作業を進めてくれて、ツインルームを一人で使用することになり、当初より値段は高くなりましたが、やっと!!
やっと部屋に入り、落ち着くことが出来ました。
その後スタッフからWi-Fiのパスワードを貰いWi-Fiが出来るようになった時は、もう俺は無敵だ!と思いました。

この日はご飯買いに空港に戻ったりする以外は、ずっと部屋に籠って荷物の整理をしたり、心を落ち着かせたり(笑)していました。

夕方くらいにはツイッターで海外で初のつぶやき。


何事もない感じを装ってますね。
まあ一応これには理由がありまして。僕のツイッターを見ているのは地元の友達だったりが多いのですが、せっかくヨーロッパにいるのにツイッターでリアルタイムで状況が向こうにわかってしまうのは面白くないし、旅を終えて帰ってから自分の口で「こういうことがあった」と話したいのもあって、旅先での出来事やその時の思いなどをつぶやくことは封印し、「今どこどこにいる」とか、そういった状況報告だけをつぶやくようにしていました。

この時はまだFacebookは初めていません。




さあ、とても長くなりましたが、初日はこんな感じでした。
これを書いていて「ようやるなコイツ」と思いましたが、ホントによくこの初日をクリア出来たなと思います(笑)関門だらけでした。


明日はフランクフルトの街に繰り出してみよう、と思い床に就いた怒濤の一日目でした。

長く拙い文章をここまで読んでくださってありがとうございました。
次回はフランクフルト市内を観光した時のことを振り返ってみます。空港はフランクフルト郊外にあるため、街までは電車に乗っていかなければなりません。日本の電車もろくに乗ったことない奴が、果たしてちゃんと海外の電車に乗れるのか?

2012年8月23日木曜日

これから、

ブログに書くのが遅くなりましたが、地元島根に帰ってきました。

行く前に、旅に出るというこの選択は正しいのか考えたり、
途中でホームシックになったりして海外に出たことを後悔したこともありましたが、終わった今では1ミリも後悔しておりません。
本当に旅に出て良かったと思います。

これから、旅の最初から最後まで一日ずつ更新することを目標に、このブログで旅を振り返ってみたいと考えています。
92日分更新するつもりなので、相当な数になると思います(笑)
旅の記録を作っておく、という半ば自己満足な部分もありますが、興味があれば読んでみてください。旅のアドバイスみたいなものも出来るだけ書いていこうと思います。



今回は大まかに旅全体を振り返ってみます。

旅行期間:5月9日〜8月9日
旅行日数:92日
訪問国数:16カ国(モナコ、バチカン含)
訪問都市数:40都市(乗継ぎでの訪問は含めない)


順番に見て行くと

→ドイツ
(フランクフルト、ケルン、ブレーメン)

→オランダ
(アムステルダム、デン・ハーグ、デルフト)

→ベルギー
(ブリュッセル、ブルージュ)

→ルクセンブルク
(ルクセンブルク)

→フランス
(パリ)

→イギリス
(ロンドン、リヴァプール)

→フランス
(パリ、リヨン、マルセイユ、ニース、モナコ、ナルボンヌ)

→スペイン
(バルセロナ、マドリッド、セゴビア、トレド、グラナダ、コルドバ、クエンカ)

→イタリア
(ミラノ、フィレンツェ、サン・ジミニャーノ、ローマ、バチカン、ヴェネツィア)

→スロヴェニア
(ポストイナ、リュブリャナ、ブレッド)

→オーストリア
(ウィーン)

→チェコ
(プラハ)

→ドイツ
(ベルリン)

→デンマーク
(コペンハーゲン)

→スウェーデン
(ストックホルム)

→ノルウェー
(オスロ、ベルゲン)

→ドイツ
(デュッセルドルフ、フランクフルト)

→日本
(東京)


書いてみると結構行ったなあ…。
今度から細かく振り返っていきますね。


さて、旅も終わったのでこれからのことを考えなければいけません。
旅に行く前、旅に出てからは、
「帰ったら島根で就職しよう」と考えていましたが、
旅を続けていくにつれ、「勉強がしたいな」という思いが芽生えてきました。

向こうで何を見てもちゃんとは理解出来ない。

そんなことはわかっていたはずですが、旅に出ることでまさに痛感しました。
向こうで出会う日本の方の様々な知識の豊富さを見て、なんで俺はこんなに知らないんだ、と悔しくなっていきました。

旅に出る少し前から、雑誌の編集者になりたいなと思い始めていたのですが、
雑誌の編集者になるには幅広い知識が必要だと感じていました。
そのために旅の目的を「知ること」にしたのですが、向こうで知ったのは
「自分の無知」だったというわけです。もちろん知ったのはそれだけではありませんが。

とにかく「勉強がしたい」と思いました。

そういうわけで、したいことを希望だけ言えば
大学に行きたいです。

なので島根で就職するのはやめ、大学に入るための勉強&バイトで資金調達をしばらくしていこうと思います。
まだどんな大学に入りたいかも決まっていませんが、とにかくそっちに向けて進んでいく次第でございます。




この三ヶ月の旅は自分の人生の中でも、とても大きなイベントになったと思います。
一生忘れることはないでしょう。
自分の感覚としては、人生の「第一章」がこの旅を最後に終わったように感じています。
これからが「第二章」。少年漫画風に言えば、新章突入!です。そんな感じのワクワク感を感じています。

この旅で得た様々なことを無駄にしないよう、これからを戦っていきたいと思います。